ジャガード織りネクタイ

「高級ジャカード織ネクタイ」って書いてあったら、なんとなくシルク100%を想像してしまったが、買った後にタグを見てみると、ポリエステル100%だった。ポリエステルのネクタイって...初めての気がする。

なぜ、こんなネクタイを手に入れたかを語るには、ちょっと長くなる。

暑い季節になってきたので、普通に自転車通勤をしていると、仕事場に着くころにはワイシャツが汗だらけになってしまう。そのまま仕事するのがイヤなので、半袖のシャツ一枚を着てバッグの中にシャツとネクタイを忍ばせて自転車に乗るのが最近のパターンだが、今朝はネクタイを忘れてしまった。もちろん、この手の失敗は家を出た直後ではなく会社についてから気付くのだ。普段の日であれば、フライングしたクールビズってことで一日を凌ぐところが、生憎、今日の午後には外の人に会わなければならぬ。仕方なく昼休みに買いに行くことにした。しかし、ここは南青山である。ユニクロかアウトレット・モールか近所のスーパー以外のお店にはしばらく行ったことの無い私は、何処で買えばよいかわからない。しばし悩んだ末、東京ミッドタウン六本木ヒルズの間に立ちそびえる買い物の殿堂・ドンキホーテに行くことにした。
南青山から六本木まで、自転車では一瞬である。

客のほとんどいない平日の昼間のドンキホーテは不思議な雰囲気だ。ジャングルに独りで迷い込んだ気分で、ネクタイ売り場に辿り着く。海外有名ブランド品(ということになっている)の脇に、1本798円(2本だとお買い得、5本だともっとお買い得)のネクタイが山のようにぶら下がり、POPが飾られている。

「高級ジャカード織ネクタイ・お買い得」

急場しのぎに入手するネクタイとしては上出来だ。適当なやつを選んで、お金を払って店をでる。
仕事場近くの公園に自転車を止め、黄色い袋から買ったばかりのネクタイを取り出した。

風変わりな品だ。
材質も珍しいが、裏打ち部分も表地と同じ生地を使っているのも驚いた。ポリエステルの場合は、特に使い分けないほうがコスト的に有利なのかな.....無意味に真面目なことも考えながら、首に巻きつけた。

そういえば、ここ数年は仕事着にお洒落には全く気を遣っていないな。10年前に比べれは、1割か2割しか金かけていないかもれない我が身には、このネクタイで十分なのである。