自転車が右側走行する4つの理由

最近のブームもあってか、WEB上でも自転車のマナーに関する言及が多い。特に頻繁に目にするのは、自転車の右側通行に関する苦言だ。

普段、歩道を歩いたり、ママチャリで歩道を走っているだけでは気がつかないだろうが、真面目に車道の左側を走っている者にとって、対向してくる右側通行自転車は、非常に邪魔だし危険である。
まあ、ここで文句を言っても解決しないので、なぜ自転車が右側を走るのか、その理由を考えて鬱憤を晴らす事にする。


第1の理由:歩道の混雑を避けて車道に出たまま、歩道に戻れなくなる

(ここでは、自転車が歩道を走ることの是非については、敢えて触れず、多数の自転車が歩道を通行しているという事実のみに注目することにする)
自転車に乗っている本人も、本当は、車道の右側を走るのは怖いのに、歩道が混雑して自転車で走りにくくなったとき、ガードレールの隙間や段差のない場所で、ついつい車道に降りてしまう。ところが、歩道に戻るタイミングを逸してしまい、ズルズルと車道の右側を走る羽目になる。
歩道を通行するにしても、左側の歩道(歩道の左側ではない)を走れば避けられる事象。

第2の理由:信号のない交差点で、正しく二段階右折しない

信号の無い交差点を右折する場合を考える。
キープレフトのため二段階右折するには、目の前の道路を横断する必要がある。しかしクルマの往来が多い道路であれば、途切れるまで待っているのも面倒だ。面倒だから、道路の向こう側に渡らずに、手前を右側へ曲がり、そのまま走り続ける。要は左折のように右折してしまっている。

第3の理由:信号のある交差点で、正しく二段階右折しない

基本的に、上記と同じ論理だが信号待ちというファイターが加わる。

正面の道路の右方向へ行く方法としては、以下の二通りがあるだろう。

  1. 左手側の横断歩道沿いを向こう側に渡ってから、右側に渡る。(正しい二段階右折
  2. 手前の横断歩道沿いに右に渡ってから、向こう側に渡る。

最も正しいのは、前者の「正しい二段階右折」だが、最悪で二回の信号待ちがある。そこで、100歩譲って後者のパターンも許容したとする。正面の信号が赤の場合は、そのまま直進できないので、手前の横断歩道沿いを歩行者にまぎれて(or自転車横断レーンを)右方向に移動する。右側の角でちゃんと信号待ちをして、道路の向こう側に渡ればまあ善しとしよう。しかし、その僅かな時間を待ちきれない輩が多く、彼または彼女は、そのまま道路の右側を進んでいってしまう。

ちょっとだけ「考察」らしき一言

こうやって冷静に文章にすると、右側走行には右側走行なりの理由があった訳だ。(←決して、右側走行を肯定している訳ではない。念のため。)しかも、上述の3パターンに共通する事実がわかる。いずれも自分が走行する上で目前の利をとって、危険性とか迷惑とかを全く配慮していない結果である。実際は、危険だとか迷惑だとかいう認識すらないのかもしれない。

ということで、よりベーシックな4番目の理由が見つかった。

第4の理由:ルールを知らない

私が、田舎の小学生だった頃は「歩くのは右。自転車は左。」と学校で教えられた記憶がある(ちなみに、「車は真ん中」と続ける生意気な悪ガキもいた)。我が家の愚息(小5)に聞いたら、学校で教えてもらったことは無いという。時代が違うのか、田舎と都会の違いなのかわからないが、誰もちゃんと教えていないのは間違いないようだ。

「まとめ」らしき一言

日本の自転車文化については、何かにつけ道路事情や法規が遅れているといわれる。でも、その前に、ちゃんとルールとその背景を啓蒙するだけでも効果が大きいはずだ。
是非とも小学生のうちから、自転車のルールを教え込んで欲しい。そして、小学生の母親・父親にも同じ内容を啓蒙して欲しい。(実は、むしろ後者のほうが大事だったりする :p)